暑いのか寒いのか

つい数日前のこと。

正午頃 道で人にすれ違う。
「今日は暑いですね」という人と「今日は寒いですね」という人に立て続けに会って、「そうですね」と それぞれに返した。
すれ違いの会話としてはそれで十分であると思うが、その後 道を一人で歩きながら、いったい私自身は暑いのか寒いのかどうなのか、自分の考えが無いことに気がついた。自分の考えが無いというのは問題とすべき事なのではないか。ならば今 暑いのか寒いのか、よく考えてみることにした。こんなふうに皮膚の感覚を研ぎ澄ますのは最近無かったことだと思った。
「背中は強い日が当たって暑いが、顔は冷たい風が当たって寒い」
さて、私は東西南北どちらに向かって歩いているでしょう。
じゃなくて、自分は暑い背中と寒い顔のどちらも不快だと思っていることが判った。
すると、「暑いですね」も「寒いですね」も、「不快ですね」という微妙な意味を含んでいるという考えに及んだ。そうか、不快なんだ。すれ違った時の相手の表情を思い出す。でも笑っていた。全く不快そうな顔はしていなかった。発した文にはその不快を打ち消す続きが隠れているということだ。そうだ、そうだ。

体に気を付けて今日も頑張りましょう！

時間がいくらあっても足りないがねぇ